。家族同然のペットが亡くなったときに、何か供養をしてあげたいという思いが湧いてくるのはとても自然なことです。写真、生前に使用していた餌入れ、お線香などを並べて自宅に手を合わせる祈りの場を作られる方が多く、最近ではさらに人と同じように位牌を手に取られる方が増えてきています。
位牌とは
位牌とは、故人の祭祀のための仏具で、位牌は故人の魂が宿る依代とされており、一般的な仏教式の供養ではなくてはならないものとなっています。人の供養では、まず白木の仮位牌が作られ、四十九日法要で本位牌に魂を移して位牌を切り替えます。魂入れは開眼法要とも呼ばれ、仏式の祭祀では魂が入っている依代と魂が入っていない普通のモノと区別していると言えるでしょう。
ペット位牌に魂入れは必要か
ペットを供養したいという想いからペット位牌を手に取られる方も増えてきています。ペット用の位牌は仏教式を踏襲した本格的なデザインのものから写真をプリントしたクリスタルのものまで幅広い種類があります。
ペット位牌を購入するときに「ペットの位牌も魂入れは必要なのでしょうか?」という質問がよくされます。上で見たような魂入れの考えにたつと、位牌は魂入れをしてあげたほうがよいとなるでしょう。ですが、実際にはペットの魂入れやペット供養そのものに対応してくれるお寺を見つけることはそう簡単ではありません。それは仏教の考え方にペットの供養というものは今までなかったからです。
位牌そのものも仏教ではなく儒教が由来だと言われています。そして、仏教式の人の供養も仏教の発祥からは大きく異なった、日本独自で発展してきたものです。これは大切な人を供養したいという想いに人々が真剣に考え続けてきたからではないでしょうか。
私たちはその子を供養してあげたいという気持ちが一番大切だと考えます。そして、そうやって供養に真剣に悩んでいることこそが誰よりもその子のことを想っている証拠ではないでしょうか。魂入れをしていないからと言って供養にならないということは絶対にありません。
ペット霊園の合同供養祭を利用する
ペットを供養してあげたいという人々の需要が高まっていることから、最近ではペットの火葬・納骨を行うペット霊園も増えてきています。こうした霊園では、人と同じようにペットにも供養の儀式をしてあげたいという想いに応えるためにペット向けの合同供養祭を行っているところもあります。
合同供養祭の内容は様々ですが、一般的にペット霊園での火葬・納骨を利用した人であれば宗派を問わず参加でき、お寺のお坊さんを呼んで読経をあげることが多いようです。その際、ペットの遺影や位牌を事前に預けてお経をあげるものもあります。供養祭が行われる時期も、毎月開催されるものや、お盆やお彼岸などに行うものなど様々です。
ペット霊園を探す際に、どのような供養祭を行うかということもチェックしたほうがよいかもしれません。
ペット供養は自分たち家族で考えていくもの
お寺や慣習に従って行う人間の供養と異なり、ペット供養は自分たち家族で考えていくものです。そして、一番大切なのはその子を供養してあげたいという気持ちです。ぜひ、考えてあげてください。